思いがけない気配り

Date
2006-08-26 (土)
Category
今日の逸品

今夜は80回目を迎えた大曲の花火競技会らしい。あの会場に居てこその迫力はよく分かっているのだが、一夜だけの増殖した人口による混乱もまたよく分かっていて足がどうにも向かない。それでも今年は晴天に恵まれて絶好の打ち上げ日和だろうから、果敢に会場に出向いた方々は是非とも日本一の花火を楽しんでいただきたい。
大曲駅の二つ手前に奥羽本線の刈和野駅があって、その近くにユメリアという宿泊施設がある。4年ほど前だったろうか、そこに宿をとり、道路の渋滞を避けて列車で花火会場に向かったことがある。臨時に列車は増発されたものの、案の定、都心の満員電車をはるかに上回る混雑ぶりで10分足らずの乗車時間でも辟易した。「お約束」の大会提供花火を見届けてから、再びすし詰めの列車に揺られ疲れきって宿に戻ると、部屋の片隅に夜食が用意されていた。
氷水の入ったポット、温かいお茶のポット、おにぎり、漬物、そして「お疲れ様でした。よろしかったらお召し上がりください。」という宿からのメモを見た時には、思いがけない気遣いに深く感動したものだった。
年々、増え続ける観客に対し、会場となる旧大曲市内では駐車場やトイレなどの課題に頭を悩ませているだろうが、客を迎えるという気持ちだけは忘れないで欲しいと思う。ほんのささやかな気配り、心遣いでも十分に心に残るものなのだ。
ちなみに私たちは翌年もユメリアに宿をとった。

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