茶町が遠い

Date
2006-08-11 (金)
Category
今日の逸品

フキと薄揚げの炒め煮が好物で自分でもよく作る。いつも時間がないのでキンピラや細切りコンブのように、あっという間に火が通るものばかりになる。こういう常備菜を作りながら時々思い出すのが「茶町が遠い」という言葉である。
秋田市はかつて商人町や職人町などに区分けされた外町(とまち)と、武家が住む内町(うちまち)とで構成されていたらしい。商人町には砂糖などを扱う「茶町」や米を扱う「米町」などがあり、職人町は「大工町」や「鍛冶町」という具合だ。
秋田市内の旧家に嫁いだ知り合いは、煮物の味加減を姑にみてもらうことになっていたらしく、たまに「おや、ちょっと茶町が遠いな」などと言われたそうである。つまり甘み(砂糖)が足りないという意味だが、こんな気の利いた言い方なら注意をされた嫁の方だって角が立つことはないだろう。おそらく姑さんの方も嫁時代に同じように言われたのかもしれない。
「茶町」は昭和40年に現在の大町という名称に変わった。どうにも味気ない、のである。

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