旧南部藩領に伝わる「けいらん」
- Date
- 2006-08-12 (土)
- Category
- 今日の逸品
明日は盆の入りということで、すでに帰省して懐かしい味に舌鼓を打っている方もいるのではないだろうか。ふるさとの味といっても地域によってさまざまだろうが、県北部の鹿角周辺には「けいらん」がある。
何年も前になるが、鹿角市長の取材を終えて、「あんとらあ」という観光施設に立ち寄った時のことだ。一角の食堂で名物だという「けいらん」を勧められたのだが、出てきたのは何の変哲もないお吸い物。塗りのお椀の中にはマイタケと里芋のような白くて丸いもの、錦糸玉子、三つ葉が入っている。汁を一口すすると、やっぱり普通の昆布ダシ。
ところが白くて丸いものを噛んだ瞬間、里芋なんかではなく白玉だと気づく。白玉の中には甘い練り餡と刻んだクルミが入っている。やがて口の中では甘い餡とピリッと辛いコショウが融合して舌鼓などは乱打状態である。次々と変化する味に目を白黒させていると、鹿角の人々は言うのである。
「帰省して何が食べたいかと聞けば鹿角出身者は必ずけいらんと答えます」
確かに一度食べたら一生忘れられそうにない、まさに「ふるさとの味」。
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